平安時代/鎌倉時代/南北朝時代/室町時代

平安時代には、圭冠に変わって烏帽子が登場します。古い絵巻物やカルタ、百人一首に出てくる男性達がかぶっているのでも、お馴染みなのがこの烏帽子です。烏帽子は身分に関わらずかぶられていましたが、しきたりとして元服後(6歳~20歳頃までに行われる男性の成人の儀式)の男性のみ着用が許されていました。貴族たちは、朝廷に出仕するときは冠をかぶり、普段は烏帽子をかぶっていました。黒の絹で作られていましたが、平安末期には漆で塗り固められるようになり、硬く細長いものが多くなりました。

この他には、笠がよくかぶられていたようです。烏帽子よりも日除けになり、手軽にかぶれるため、外出や野外労働にはかかせないものでした。まげを結った武士用に作られた先端にまげ入れのある笠や、平たい形のもの、お椀型のものなど、様々な種類があったようです。